明治19年式戸籍資料 戸籍取扱手續(明治19年10月16日内務省令第22号)
統一された様式が定められ除籍簿の制度が設けられた。
同日に詳しい書式や記載例を定めた内務省訓令第20号(戸籍登録書式)が出ている。
明治19年式戸籍への改製は地方毎に行われたので、明治19年に一斉に改製されたのではない。
明治5年式戸籍は封印されたので、(廃棄されていなければ)現在取得できる最も古い戸籍はこれになる。
*底本は官報によった
*漢字は通用字体に置き換え、カタカナはひらがなに置き換え濁点を加えた。
*句読点を適宜追加した。
*引用も利用も自由だが正確性は保証しない。
内務省令第二十二号
戸籍取扱手続左の通相定む
明治十九年十月十六日 内務大臣 伯爵 山懸有朋
戸籍取扱手続
戸籍
第一条 戸籍は戸籍用紙を以て之を造り、各戸を別葉に登記し、一町村毎に帳簿に編製すべし。但、便宜に因り一町村を数冊に分綴し又は数町村を一冊に合綴することを得。
第二条 戸籍簿は副本を造り郡役所に納め置くべし。区長に於て戸籍を取扱ふときは之を管轄庁に納め置くべし。
第三条 若し登記の事項多くして欄内に余白なきときは、用紙を以て其欄上に掛紙し之に登記すべし。但、本紙と掛紙との続目には官印を捺すべし。
第四条 戸籍は字画を明瞭に記載し、濫に添削することを得ず。若し錯誤脱漏に依り添削するときは、之に認印を捺し、且其刪るべきものは朱線を画し原文を存すべし。
第五条 戸籍簿の改製を要するときは、管轄庁の許可を受けて之を為すべし。
第六条 戸籍簿焼亡紛失したるときは、郡役所又は管轄庁に納め置きたる副本に拠り編製すべし。
第七条 戸籍簿の改製又は編製を為したるときは、郡長又は管轄庁に差出し其検査を受くべし。但、改製に係る原戸籍簿は少くも五十年間之を保存すべし。
登記
第八条 戸籍に関する届書を受領したるときは、先づ届出の事項及届出期限あるものは其事項の年月日並届出の年月日、届出期限なきものは其届出の年月日を登記目録に記入すべし。但、本籍地外に在る者に係る事項にして届出期限あるものは、届書発送及受領の年月日をも之に記入すべし。
第九条 登記目録は左の三種に分ち毎年一種毎に之を編製すべし。但、一種中に部門を設け之を分綴するも妨なし。
一 加籍目録
一 除籍目録
一 異動目録
第十条 第八条の手続を了りたるときは、直に戸籍に届出の事項及届出期限あるものは其事項の年月日、届出期限なきものは届出の年月日を登記し、届書には受領の年月日及登記済の旨を記入すべし。
第十一条 戸籍に入る者あるときは其戸籍の末に登記すべし。戸籍を除く者あるときは其事項を朱にて登記し、且其氏名に朱線を画すべし。
第十二条 全戸入籍する者あるときは直に戸籍簿に編入すべし。
第十三条 全戸除籍する者あるときは朱にて登記し、其戸籍に朱線を画し、便宜之を除籍簿に移すべし。
第十四条 戸主に代替あるとき、家族は総て新戸主の続柄を以て戸籍を改写すべし。但、旧紙は官印を以て新紙と割印したる上、除籍簿に移し綴づべし。
第十五条 戸籍に登記し諸届に記入したるときは総て之に認印を捺すべし。又諸届は一箇月分を類集分綴し、翌月中に郡役所(区役所は管轄庁)に送付すべし。但、郡役所又は管轄庁に於ては、戸籍簿を改製する時まで之を保存すべし。
送籍入籍
第十六条 送籍を請求する者あるときは、戸籍用紙を以て送籍状を作り、直に入籍地の戸長(区は区長)へ発送し、且其送籍の事項及発送の年月日を登記目録に記入すべし。
第十七条 人別の送籍状には、其人別に関し戸籍に登記したる事項及戸主の氏名、身分、住所を記載すべし。
第十八条 全戸の送籍状には、戸籍に登記したる事項を遺漏なく記載すべし。
第十九条 入籍を届出るときは、原籍地戸長(区は区長)より送達したる送籍状と照査し入籍の手続を為し、五日以内に入籍報知書を原籍地戸長へ発送すべし。原籍地戸長に於て之を受領したるときは、其受領の年月日を登記目録送籍状発送年月日の下に記入し、直に右入籍の日を以て除籍すべし。
寄留
第二十条 他府県又は他郡区より寄留したるの届出あるときは入寄留簿に登記すべし。其登記は総て戸籍の例に依る。
第二十一条 入寄留簿は左の二種に分ち、一種毎に之を編製し、且一種中に一世帯を為す者と然らざる者とを区別編製すべし。但、一世帯を為さざる者は一帳簿に列記するも妨げなし。
一 他府県人入寄留簿
一 他郡区人入寄留簿
第二十二条 寄留地を去りたるの届出あるときは朱にて記入し、其入寄留人名に朱線を画し、其別葉を為すものは便宜之を除帳簿に移すべし。
第二十三条 他府県又は他郡区へ寄留したるの届書到達したるときは、出寄留簿に列記すべし。
第二十四条 出寄留者復帰したるの届出あるときは、朱にて記入し其人名に朱線を画すべし。



